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クロストーク 05

日本・海外座談会

海外勤務者と国内勤務者が集まり、洗濯機という商材をテーマに、海外と日本の働き方の違いや、共通して大切にすべき点を語り合いました。

  • くらしアプライアンス社

    ランドリー・クリーナー事業部

    海外マーケティング部 洗濯機マーケティング1課 主務

    2017年入社

    池田穂乃花

  • Panasonic Appliances Vietnam Co.,Ltd.

    Washing Machine Group R&D Center

    Assistant General Manager

    2011年入社

    川瀬尚希

  • くらしアプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部

    衣類ケアBU 技術総括 商品開発部

    2017年入社

    河本裕美子

  • くらしアプライアンス社

    ランドリークリーナー事業部

    国内マーケティング部 ランドリー・アイロン課 主務

    2010年入社

    佐藤弘和

  • 高い製品力が求められる日本と 生活に必要な機能を求められる海外。

    佐藤

    本日はよろしくお願いします。普段業務で関わりのある方もいれば、初めましての方もいます。まずは、自己紹介から始めましょうか。私は、国内洗濯機のマーケティングリーダーとして、販売促進や消費者とのコミュニケーション設計を担っています。販売収益の最大化を目指し、日々さまざまな分析・施策を行っています。

    河本

    私が取り組む業務は主に2つ。1つは、日本向けドラム式洗乾機の洗浄性能の設計です。洗浄力、布傷み性などの洗濯に関する基本的な性能の確保、誤使用した場合の安全性の担保など、お客様が満足できる性能を確保するための設計や構造検討を行います。もう1つは、ASEAN向けドラム式洗乾機の日本チームのプロジェクトリーダーです。ベトナム拠点のメンバーに対するアドバイスや情報共有を通して、現地で自立して設計開発・製造できるようになるための支援を行っています。

    川瀬

    私はまさに、そのベトナム拠点で働いています。ASEAN諸国を中心とした洗濯機事業拡大に向けて、現地スタッフの育成、開発体制の強化、新製品開発を推進しています。

    池田

    私は主に、フィリピン、シンガポール、カンボジアなどのASEAN諸国に向けたマーケティングを担当しています。普段は日本国内で企画や販売管理の業務を行っていますが、ときには現地に出向いて、リサーチや施策を行うこともあるのです。

    佐藤

    みなさん感じていることかと思いますが、海外と日本では設計もマーケティングも、意識すべきことが全く異なりますよね。例えば、日本のお客様は製品を見る目がかなり厳しいです。売り場に来る前にインターネットで性能を比較してから訪れたり、細かな機能の有無で見比べたりなど、高いリテラシーをつけてから目利きをされます。国内のマーケティングにおいては、製品性能はもちろん、その背景にあるこだわりや熱意を伝え、他社製品よりも魅力を感じてもらえるよう努力しています。

    池田

    一方で海外は、そもそも洗濯機の普及率が6割程度の国があったり、いまだに二槽式が主流だったりと、日本とは全く状況が異なります。設置される場所に関しても、外に雨ざらしで置く国にもあり、環境に適応できる耐久性や外観の一部としてのデザイン性が求められます。どんな国でどんな人がどんな生活をしていて、何を求めているのか。そこを十分に理解して、販促を行う必要がありますね。

    川瀬

    日本では松下電器時代から積み上げた信頼がありますが、海外ではそれほどの知名度はなく、ブランドポジションが確立されていません。さらに、ASEAN諸国は現地の絶対的なメーカーがいる国が少なく、外国メーカーが群雄割拠して多額の広告費をかけながら、シェアNo.1を狙っている状態。そんな状況下で、日本と同じ高品質路線の製品をつくっても、必要性が伝わらなければ意味がありません。池田さんの話にも通じますが、現地の生活を徹底的に知り、本当に必要なものを製造していくことが求められています。

    どの国においても、ものづくりの本質は 生活者を深く理解することにある。

    池田

    海外の方と仕事をするなかで感じるのは、パナソニック本社がある日本で働く社員への厳しい視線です。「日本から来たこの人はちゃんと仕事ができるのか?」「指示に従う価値があるのか?」とジャッジされているように感じます。

    川瀬

    それには私も同感です。自分にとってメリットがある人物には従うし、メリットがなければ従わない。ルールや役職よりも、自分への損得で判断する。要するに、合理的なのです。過去に、プロジェクトが大詰めというときに、現地のプロジェクトリーダーが急に転職してしまったことがありました。この経験から、常に自分の有用性を示し、結果を出し続ける重要さを学びましたね。このように、日本では常識なことが海外では非常識であるということが往々にしてあります。理路整然とは進まないカオスな状況下で、ベストな行動をし続けることが必要ですね。

    河本

    日本と海外の両方の市場で設計業務をしていると、「人」の考え方の違いはすごく感じますね。国内では、認証基準に合わせて入念に開発を行えば、基本的に認証試験を達成できないことは少ないです。ところが、海外向け製品においては、その国の基準を満たしていたとしても、試験者によって基準に対する解釈が異なり、認証が通らないことも。川瀬さんが言う「カオス」は確かに存在していますね。

    佐藤

    お話を聞いていて、海外では「違い」の理解が重要なのだと感じましたが、逆に日本に住んで日本向けのマーケティングを担っていると、自分自身や友人・家族がターゲットになるのです。自分で洗濯機を回して、取り込んで、干して、を繰り返していくと「この機能ってこういうときに役立つのではないか」「ここはもっと訴求するべきではないか」と気づきがあります。例えば、キャンプや山登りで着るアウタージャケットには撥水加工が施されていますが、使用を重ねるうちに劣化してしまいます。実は、そんな撥水加工は乾燥機能の熱で復活させることができるのです。日本でのアウトドアブームの到来をひしひしと感じていた私はそこに目をつけ、訴求を実施。ターゲットのニーズをいち早く理解することで、新たな価値を伝えることに成功しました。

    川瀬

    冒頭でもお話にあがりましたが、生活者の気持ちやその国の情勢を理解することは日本・海外に関わらず、何よりも大切ですよね。私は休日にできるだけ外出するようにして、ベトナム人の肌感覚に近づけるよう努めています。

    100年先も多様な人に愛される グローバルブランドへ。

    佐藤

    パナソニックでは昨今、人財の多様化が進み、さまざまなバックボーンを持つ社員が働いています。そんな社員たちが学生時代の経験や前職で得たスキルを、販売・マーケティングに活かせる環境をつくり、パナソニックブランドを日本だけでなく世界でも愛されるグローバルブランドに成長させたいです。皆さんの夢や目標もぜひ教えてください。

    河本

    私も佐藤さんと同じく、世界に愛されるブランドをつくっていきたいと考えています。「パナソニックの洗濯機を持っている私って素敵」と感じてもらえるような、人をワクワクさせられる製品を開発したいです。その結果、パナソニックという会社が、この先何百年も存続できるほどの成長に貢献できたら嬉しいです。

    池田

    入社して以来、営業・マーケティングなどの販売側の業務に従事してきましたが、今後はこれまでの経験や市場知識を活かして、商品をつくる仕事に携わってみたいとも考えています。これまでとアプローチの方法を変えながらも、引き続き当社製品を世界各国のお客様にお届けして、「生活の豊かさ」に貢献したいです。

    川瀬

    ベトナム拠点には、2030年までに年間100万台を生産する工場となる、という目標があります。まずはその目標を達成し、ベトナム・ASEAN市場に大きな貢献をしていきたいです。また近年、日本やASEANに関わらず10代20代の方にパナソニックのブランド価値が充分に伝わっていないと感じています。私は「パナソニックっていいな。ここで働きたい」と、強い想いを持って入社しました。この先何年も、憧れや情熱を持って入社していただけるような企業でいられるよう、尽力していきたいです。

    ※所属・インタビュー内容は取材当時(2024年2月)のものです。

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